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 1: 材料となる樹木について

 都会で暮らしている皆さんはここでちょっと困ることになるでしょうが近いうちにこれから紹介するような材料となる木材も用意するようにしますのでご一読下さい。
 まず樹種は堅くて腐りにくいものを選ぶほうがよろしいでしょう。 具体的にはお正月のセールで販売していましたケヤキ材や樫、さらに椿などの広葉樹で堅い素材を選びます。 普通の地域ではどこにでも植えられているものですが伐採されることはそれほどないので伐採されている現場を見つけたら持ち主の人に交渉してみることです。 建材に使われる材は樹齢が100年を超えているものでないと使い物にならないことが多いのでたいていの場合は管理が不行き届きで切り倒したり枝払いをしているものです。 そのようなものは業者にお金を払って処分してもらっているので少しくらいなら普通は無料でもらえると思います。

 木の種類がわからない方の方が多かろうとも思いますので簡単に触れておきますといわゆる“雑木”の類の広葉樹の中で堅いものを選ぶこと。 加工はやりにくいのですが長持ちしますのでそうされることをお勧めします。 クワガタの飼育にも使われるナラとかクヌギは手には入れやすいのですが朽ちやすいですし,一旦腐朽が始まるとカビも生えたりダニも付いたり、またメスが産卵したりと1,2年でだめになることもあるのでわからない場合にはインターネットで調べたりしてから作業に取り掛かってください。 ちなみに堅い樹木ほど“ウロ”は出来にくく、人の手のはいっている樹木ほどウロが出来やすいです。 世間一般に沢山ある樹木の中では材料的には“柿の木”がもっともウロが出来やすく加工もしやすいと思います。 木そのものの美しさではケヤキとか椿、山茶花、イチイが美しいですが適切な大きさの材料を手に入れるのは非常に困難かも知れません。

 この作品を作るうえでは題材となる適当な大きさで適した形の材料樹木を見つけることが全体の仕事の8割くらいを占めます。  加工についてはこれからのお話の中で説明を加えてゆきますが道具・工具さえあればあとは“センスの問題”、誰にでも出来ますから面白い形をしたものを見つけることです。 先ほどお勧めした種類の樹木で適当な大きさのものでクワガタ飼育に使ってみたくなるようなものは通常売り物にならない部分ですので普通は捨てられるか、薪になるかパルプになります。 お住まいの地域の神社・仏閣では必ず2年に一度は樹木の手入れを行なっていると思いますからそのようなところにお願いしておくのも一つの手段ですがチェーンソーを持っていないとその後の作業に困るかもしれません。  いずれにしても販売しているようなところはありませんから探すことでしょう。 (無理でしたらご相談下さい。)  木の種類については知らない人も多いことでしょうから上で書いた樹木の中でどこにでも見つけられるようなケヤキ・柿・樫などの画像をそえておきますので参考にご覧下さい。

ケヤキ


 ここまでが実は一番苦労するところで素晴しい素材というのは滅多に出てきません。 ケヤキや椿で素晴しい素材を見つけて下さったら私が買い取ります! と言いたいくらいです。 クワガタ虫の血統創りでもそうですが良いもの、素晴しいものというのはなかなか出来ませんし見つけられません。 だから面白いのです。 じっくりと時間・手間をかけて作り出してゆくところに面白さがあるんです。  次回は実際に樹木を手に入れてカットしたり削ったりするところまでについて書きますね!