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 上級者講座 第6講  王道飼育

 オオクワガタ幼虫飼育にヒラタケ系統の菌床が利用されるようになりおよそ10年が経過しました。 当初は75mmupの成虫を作り出すのも夢の話だったのですが、菌床が登場してからは75mmはあっというまに、そして80ミリも2000年に突破しまして近年では82mm〜84mm.までのサイズが複数誕生するにいたっています。
 今回ご紹介する王道飼育につきましては3年前から実験を重ね、飼育法の効果を実証しうる結果も複数出てきました。 82mmを超える超大型で幅もあり、バランスも良いオオクワガタを作り出す一番の近道がこの飼育法にあるように感じておりますので実例も画像を交えいくつかご紹介してゆきます。

 私がこの飼育方法を思いついたのは5年ほど前にさかのぼります。 当時は80〜82mmあたりでギネスサイズの国産オオクワガタが誕生していました。 自分自身も81mmは作出できていましたが“まぐれ”的結果でしてその証拠にその後その血統からは超大型は1匹も誕生することはありませんでした。 (実例は“写真館の#1にあります佐賀県産の81.7ミリです。) 当時から思い続けていることは“人と同じ事をやっていたのでは同じような結果しか出てこないだろう・・・何か画期的な方法はないだろうか?“ という事でした。 

ふと思いついたのが私の好きな競馬のサラブレッドの“血統”のこととクワガタ飼育には全く関係のない以前の“子供に教える仕事”のことでした。人間でも馬でも犬でも血筋がありますがクワガタにもありそうだからその血を開花させるために人や馬はどうするのだろう? どうしているのか? と考えました。 ここを読むみなさんに分かりやすく説明すると、競馬の世界では今は亡くなってしまいましたがサンデーサイレンスが日本に来てその血を受け継いだ子供たちが大活躍しまして日本の競馬界も発展しました。 “ディープインパクト”と言う馬の名前は競馬に関心のない方々でも1度は聞いたことのある名前のはずです。 歴史に名前を残すような名馬・名犬は血統的な背景も抜群であり“なるべくしてそうなった”感が強いのですが決してそうではありません。幼少期から、そうすべく人の手でさまざまな努力が重ねられた結果として素質が開花したのです。 

 馬や犬でさえこのような方法論が採られているわけですので人間はさらに、と言うことになります。 子供に習い事をさせたり、運動をさせたりとお子さんをお持ちの皆様にはわかっていただけるでしょうが大切なのは“幼少期”です。 私はそこに気がつきました。クワガタムシは下等動物ですが遺伝はあります。 だったら“人間と同じで人間なら生まれて15歳くらいまでとすればクワガタムシなら初令の時期が大切な幼少期だろう・・・”という安易な判断でしたが当時も今もそこに気がついている人はあまりいなかったように思います。 仮にそう思っていてもそれをどのように飼育方法に反映させるかとなると現在も変わっていませんが、ホダ木の産卵木で採卵して卵から孵化後しばらくしてから割り出しを行い菌床に投入するというパターンは確立されておりこれを崩すのは難しく誰も手をつけなかったのです。

 当方はこのホームページを開設するさらに4年ちょっと前からカワラ材の販売で業務を始めておりまして材と菌に関する対する知識は多少ありましたし、菌床も少し遅れて作り始め、添加剤の研究も進めていました。 これらの知識と経験をうまく使って何か出来ないだろうか? と考え最初のうちはカワラ茸系統のものでいろいろと実験を重ねましたがうまくいきませんでした。 “やっぱりヒラタケ系統が一番!”と結論が出たのが5年ほど前でそこから幼虫を大きく育てて頭の幅を広くするための飼育法・エサの作り方とさまざまな試行錯誤を重ねまして最終的には先に書いたように“幼少期(初令時)の飼育で大きな違いが出せるはず”との思いからズボラセットSPが誕生したのです。

  巷には当方の商品を真似ていることが明らかな製品が複数あることも存じておりますが、写真館のほうでご覧いただけるような結果を複数出すことは難しいでしょう。 形は真似できても中身は全く違いますから82mm以上の国産オオクワガタ成虫、さらに75mmに満たない大きさで頭の幅が28ミリに達するような成虫は幼少期の餌にかなり工夫をしないといくら血統的な背景が良くても不可能な数値であると思われます。 ちなみにあごの幅は測り方でどうにでもなる関係で私は軽視しておりますから触れるのは止めておきます。

 幅を出しつつバランスも良い虫を作るのは80mmクラスの成虫を作り出すよりも難しいのではないでしょうか? ここ2年で73〜5ミリで頭の幅が27〜28ミリクラスの虫も4,5匹生まれてきているのですがどの系統にしてもズボラセットSPでブリードを始めてKBMボトルへつなぎオスはその後BMで2ヶ月中継ぎをして堅詰め1400ppで仕上げる方法で2世代かかってようやくほんの少しですが普通では出てこないバランスの虫が誕生しました。 違いが出る数が少なく時間もかかりますからかなり難しいのは確かでしょう。 そういうわけで言い訳をするつもりで書いたのではないのですが、当方のズボラSPとミニSPをお使いいただいている皆様全員のところで同じような好結果が出る保障は出来ませんが、この方法論で誕生したオス成虫がサイズや頭の幅で種親を上回っており、一般的かつ客観的判断において効果があると結論づけられるようでしたら、さらに同じやり方でもう2,3世代ブリードを続けてください。 数字の変化は非常に微妙なラインでシャープペンシルの芯ほどの違いなのですが当方の“おうち家・B血統”でそうなっているようにこれまでは出てこなかった数値をもった成虫が複数生まれてくるでしょう。

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