トップ > 上級者講座
#1 | #2 | #3 | #4 | #5 | #6 |

 上級者講座 第3講  太さ+大きさ追求

前回は太さを出すための工夫について話を進めました。 一部公表できない企業秘密のものがありましたのでわかりにくかったかもしれませんね。 しかし、これまでに書いてきた内容から立派な成虫を作出する上での避けては通れないポイントはお分かりいただけたことでしょう。 (血統とえさ、さらに飼育管理における工夫です。)
 すでに“飼育の時代・選んで飼育する時代・よりレベルの高い個体を作出する時代”へと入っていることはこれまで何度もお話してきました。  当方のお客様からも2004年6月初旬の時点でその流れを反映するような朗報も続々といただいております。 すべてのお客様の個体を事実として紹介することもある意味では良い宣伝となるのですが、ホーペ・国産オオクワガタで77mmという今までの壁はもはや存在しなくなりつつあるのでは? との思いもありまして紹介させていただく企画は取りやめました。 すでにしっかりとした血統・飼育管理を行っていらっしゃる皆様のところでは、“79mmの壁”に最初の壁が変わった感があります。 

 現在は“太さ”を持ち合わせた血統・系統が流行していますが、前回の講座でも触れましたように、“大きさ”が第一である、と言うのが私の見解です。 理由は60mm後半から74mmくらいの太い虫は巷にいくらでもいますし、出てくることが多いからです。 当方は虫よりムシろ、“えさと飼育技術”を愛好家の皆様に提供してゆくことが使命と考えております。 当方の商品をお使いいただいている皆様に納得していただくには、高い目標を設定して追及してゆかねば、良い血統をお持ちのブリード技術の優れた愛好家の方々にはすぐに追い越されてしまうでしょうから、販売と同時に飼育技術においてもプロ意識を忘れることなく続けよい結果を残し続けてゆきたいものです。

 さて内容が前回の講座と少し重複しますが、“太さと大きさ”の両方を追及する場合の最も大切なポイント、それは血統です。 とくに大きさとなると血統の占める割合は90%くらいはあるのではないでしょうか?  最近の具体的な例を申し上げますと三重県のYさんがブリードされております、“伊賀上野”の各系統は平均羽化サイズが76ミリはあります。 驚くべき平均値ですね。 この系統に関してはご購入していただいた皆様の手元に渡っていますので間違いはありません。

 当方の血統ではホーペの広東省・九連山 N血統とか大安・M&M血統がこの数値を超えています。 まずは当方の血統に限らずそのような“超大型血統”を入手されることが一番の近道ですが、入手できない場合には今まで述べてきた、血統判断の基準をご自身で設定していただいてその数値を超えるものを手元に残して飼育を続けられればよろしいかと思います。 たださすがにオスの兄弟の平均サイズが75mmを越えてくる血統というものは巷には存在はしていますが非常に数が少ないと思います。 特に国産オオクワのほうは皆無に等しいと言えるのではないでしょうか?

  いずれにせよ血統的背景が良い虫を入手していただいて、最初から特別なレシピで添加剤を多めに配合して菌床を作り育ててゆきます。 添加剤は前回の講座で書いたようなレシピでスーパーモンスターを少し多めに配合することですね。 そしてゆるく詰めてください。  コストを下げるために麦芽を代用する手もありますが、最後のほうで幼虫が死亡したり、さなぎで死亡したりと副作用が出てきやすくなります。 これは国産オオクワガタの飼育において特に顕著となりますので80mmUPを狙う場合のレシピとしては麦芽の利用は避けていただきたいですね。 もし使うとしても初・2令のときに少量を添加する程度にしてください。  そしてきっちりと70日〜75日あたりで交換を行います。 勿論ですが温度管理は不可欠です。 設定温度はホーペの場合には24〜27度、国産オオクワの場合には22〜26度くらいが適温ですが最初の40日くらいまでは25度以上あるほうが好ましいです。  ホーペの飼育においては多少いい加減でも血統がよければ75,6ミリは軽く誕生してきますが、国産オオクワガタの場合には少しでも何かに問題があると良い結果が出ませんしバラツキも出てきます。 国産オオクワガタの飼育管理のほうが格段に難易度が高いですよ!  3令の後期に差し掛かったら温度設定を下げます。  大体生後6ヶ月を過ぎたあたりでしょうか?  ちょうど3本目の菌床に入れ替える時期がやってくる頃ですね。 3本目に使う菌床の作成もブリーダーの腕の見せ所です。 よく“捨てビン”と言われたりもしますが、実は最終交換に使うボトルがもっとも大切です。 血統的背景のしっかりした幼虫であればたいていの場合26,7gまでは伸びてきます。 飼育技術・温度管理の徹底が甘くても素質で伸びてくるんですね。 (きっちり飼育すれば30gUPにもなります。) 引き締まった幅のあるボディを維持しながら蛹になれるような環境を作ってやることも大切な仕事です。 この時期までに幼虫は成虫になるために必要な栄養分は摂取し終えていますのでほとんど食べなくなります。 ゆっくりと熟成する時期に入るわけです。 この時期は結構長いので場合によっては4,5箇月はかかります。 その間にも幼虫の入っているボトルは劣化してゆきますのでこの劣化速度を遅くする工夫もしておかねばならないのです。 期待度の高い幼虫に当方のオーダー3Lボトルをお使いになる方がいらっしゃるのはこのあたりを十分に理解されているからでしょうが勿論そのようなボトルはご自身の手でも作れますので劣化を遅くする工夫をこらしたボトルをおつくりいただき、6,7ヶ月は持つようにしていただければ国産オオクワガタも3本で成虫にできることも出てくるわけです。 そうなった場合には4本、あるいは5本返しの成虫と比べると明らかにサイズダウンはしませんので75,6ミリの平均値を持ったオスの立派な成虫がそろうことになります。  最後の熟成期の温度帯は22,3度あたりのゾーンで湿度も低いほうが望ましいと言えます。 参考例ですが三重のYさんのブリードルームの湿度は40%あるかないか、くらいでした。 

 長々と書いてきましたが、大きさと太さの追求では重複する部分が多いため同じことを2度言わねばならないこともあります。 “同じことではないか!”と思われた方々も多いことでしょう。 40%以上の重複部分がありますね。  まとめると“血統”が第一、次に使うえさとそれに対する工夫、そして管理の順になります。 

 すでに多くの皆様がご自身の血統、あるいは当方でお買い求めいただいた血統で飼育を始められ、工夫を凝らした飼育をしていらっしゃることでしょう。  実践していらっしゃる皆様のところでもすばらしい虫たちが羽化してくることを期待しております。  これまでの内容で質問などがございましたら直接店主の携帯電話にご連絡ください。(メールでの質問にはお答えしませんのでご了承ください。)   次回のテーマは? ですが“材”を取り上げるつもりです。 お楽しみに!!

上へ