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 上級者講座 第2講  太さの追求

 第1講座では添加剤の効用についてお話をすすめましたがこれからお話を進める第2講では前回の添加剤の効用を発展させて太さを追及する飼育法について触れてみましょう。

 前回お話しましたように、添加剤飼育は虫の持つ素質に磨きをかける働きをするものとして機能します。 当方はそのノウハウをお客様に商品として3年以上前から提供しておりまして、すでにお客様のところでも数多くのはっきりと違いの分かる結果も出てきております。 まずは飼育に使う菌床ブロック、さらに各種添加剤、そして中級者講座でも触れたような飼育方法と管理方法に工夫を凝らすことです。 その中ではまず飼育するクワガタムシの血筋を判断しなければなりません。 これは中級者講座でも触れておりますが皆さんの飼育の段階における判断基準を設けてそこで判断を下していただく必要が出てきます。 筋の良くない虫にいくらお金と情熱をかけても伸びませんから野外採集の虫を購入される場合はここからのスタートです。

 そこでお勧めできる判断基準を1つ提案しておきましょう。 それは、“ 添加剤飼育を行ってWF1のオスの平均サイズが73mmを超えてくるような血統を残すこと”です。 そんな血統なんてあるのか? と感じる方もおいででしょうが、“あります!” 当方の販売する血統で言うなら、広東省と白沙、さらにマニア氏の健歐がそのような血統です。 ほかにブリードを進める上で出てきたのが、大安のm&mおよびm-1血統ですね。  “血統の良さ・えさ・飼育技術と管理” この3つが揃った場合には平均値は75ミリを超えてきます。 まずはそのような良血統を手にしていただくことが第1のポイントです。

 私が提唱する“太さ”とはサイズが76ミリ以上になり太さも兼ね備えているレベルでの太さであり、70mmそこそこで太い虫を作ろうというつもりでお話を進めるわけでは有りませんので誤解なきようお断りしておきます。 そのような血統の虫を所有すること自体が大変なことですが、このところ虫の価格も落ち着いておりますので決して困難なことではありません。 大切なことは、“形もさることながら最初は大型になる血統を選ぶ事。 兄弟で76,7ミリのオスが複数誕生している血統を選ぶこと。” その際にあごの太さとか頭の幅は一般レベルであれば問題ありません。 まずは75ミリを超えて生まれてくるオスが多い血統でなければなりません。 60ミリ台が複数生まれてくるような血統ではダメです。

 今まで述べたことはいわゆる“前提条件”のようなものですね。 これも目標達成へのポイント〔近道〕です。 次にそのような血統をブリードするわけですが、ここからが今回の講座のポイントです。

 大型血統の幼虫を育てた経験をお持ちの方は気づいていらっしゃるでしょうが、3令時の長さと太さが違いますね。 それに加えて頭の幅・・・すでに幼虫の時期から明確な違いが現れます。 太さの出てくる血統というのは幼虫の時もやはり身体も太いですし頭の幅もあります。 当方の血統では“大安”の各血統がそうですし、台湾オオクワガタの82mm血統、超阿古谷の幼虫たちも同じです。 重さを持つ幼虫は一般的な添加剤でも作出可能ですが太さを出してゆくには幅を持たせながら重さも持たさねばならない。 この“幅”をどのように持たせるか? が大きな課題(障害)になります。

 昨年から続けてきましたさまざまな添加剤飼育の実験については、先の第1講でもお話しましたように、“部分的な太さ”へのチャレンジも行ってきておりまして、あご幅だけを太くするのは不可能であると結論付けましたが、“全体的な太さについては何とかなるのでは?” との思いを抱かせるに十分な個体たちが羽化してきております。 それらの個体の1部はサイズを控えめに計測して目玉商品に掲載しました。 中にはすでに売れてしまっている個体もありますが、74〜75ミリのオスで頭の幅が26mmを超えてあごの幅も5,6ミリ以上あるオスの成虫が5つ以上の血統で誕生しております。 また70mm以下の成虫は全くと言って差し支えないほど羽化しておりません。 これらの途中経過から言えることを太さについて限定してお話を進めますが、まず最初に菌床に投入する時期、この時期については2令の初期くらいまでならどの時期でも関係はないようです。 投入する菌床ですがやはり栄養価のかなり高いものを作りきっちりと温度管理を行い、70〜75日で交換することです。 皆さんが知りたいのは“栄養価の高い菌床”でしょうね。

ではそのレシピの具体例をいくつか取り上げてみましょう。

1: 1ブロックにスーパーモンスター・大さじ6〜9杯+コーン・大さじ1杯+グルコサミン1杯
2: 1ブロックにスーパーモンスター・大さじ5杯+ミネラル大さじ1杯+トレハロース大さじ1杯


 ここで用いたブロックは、クヌギの微粒子〔当方で販売しているもの〕が中心で他には最初から麦芽が添加されて作ってある、当方のチップブロックでした。 また比較実験(使われているオガコの質で違いが出るのを確認するためです)を行うために他社の割と値段の安いブロックも用いました。(結果的にはオガコの違いも大きさに出ます。) これらのレシピから生まれた虫たちは総じて大きく、太さも兼ね備えたものがたくさん出てきたのです。 大きさは問題なく出る〔70ミリ以下はほとんど出ません〕ので大丈夫なのですが、太さについては出現率が低く、“太くなりますよ!”というキャッチフレーズで販売するとトラブルを招きそうですのでそこまでは言えないのですが、太さに関する大きなヒントがこのレシピの中にあるようです。(まだ私も十分に理解できていません。) 

 今期は上で述べたレシピの中でミネラルパウダー(以前にも書きましたが他の薬剤も含まれており純然たるミネラルでないことをお断りしております。 10種類以上のブレンドです。)とスーパーモンスターの配合の比率に注目しまして更なる実験を進めてゆくつもりですが、いわゆる“アミノ酸系”と他のさまざまな成分をどの時期に摂取させるか? にポイントがあるのは間違い有りません。 大切なのはずばり“2令時”です。 3令になるまでにいかに頭の幅(13ミリくらい)を出すような餌を食べさせるか?でしょう。 ここで誤解を招かぬように書きますが、“堅いものを食べさせればあごが太くなる”というのは大きな間違いです。 そのように思う皆さんは最初に堅く詰めた添加剤なしの菌床に幼虫を投入してみてください。 2ヶ月くらいたっても小さいままです。 また材飼育(樫とかケヤキなどのカワラ材)で飼育していただければ分かります。 時間がかかる割に大きくも太くもなりません。 (当方はカワラ材の販売からこの業務をスタートしておりますので10年以上前に経験済みです。)

 つまり“大きくなる血統の幼虫の2令時終了までに目標達成に必要な栄養素を強制的に食べさせて3令を迎えてもらうこと” ここに1つ目のポイントがあります。 そして3令になってからは重さと長さを出すために必要な栄養素を摂取させることですね。 その次にあごを使うような詰め方にすること。 出来ればピークのときには30gを超える大きさに持っていっていただきたいですね。 国産オオクワガタではかなり高いハードルですがホ−ペでは難しくありません。 当方の“幼虫自慢コーナー”にはそのような幼虫たちがたくさん登場しております。 すでにこだわって飼育していらっしゃる皆さんは続々とその領域に入っておられます。 私が直接お話させていただいているお客様だけでも30gオーバーの幼虫は現時点(2004年2月29日)で30匹はおります。 この数字は3年位前には考えられなかった数字で、この1,2年の間に飼育技術とえさの質、さらに管理能力が格段に進歩していることを物語っています。 私の予想では80ミリという数値は国産オオクワガタでは1つの高いハードルであり続けるでしょうがホーペでは84,5ミリあたりまでは到達可能でしょう。

 さて今回の“太さ”の追及ですが、具体的にどのような栄養素がそれにかかわってくるのか? については残念ながら書くことは出来ません。 理由は“業務上の秘密”の部分がたくさんあるからです。 当方のスーパーモンスターにしてもミネラルパウダーにしましても7年以上前から実験を重ねて結果を出して販売しております。 トレハロースとかコーンなど今までにお知らせしているところはかまわないのですが最も重要な成分のいくつかとその組み合わせについてははまだ知られていないもので書くわけにはいきません。 誰でも閲覧できるWEBの上に掲載しますので同業者の方も御覧になることでしょう。 すでに当方の真似をしている同業者の方も出てきております。 真似をされるのは別にかまわないのですが全く同じものが作られるようでは困りものです。 この類の商品は開発に時間がかかります。 さまざまな実験を重ねて結果を出してやっとOK・・・着手してから3年は間違いなくかかるでしょう。 単に麦芽とかトレハロースとかコーンを組み合わせているわけでは有りませんし、よく質問を受けるキチン・キトサンの類は一切入っていません。また原価の安い材料(ふすまとか小麦粉・きな粉)なども一切用いておりません。 秘密の成分が7つくらいあります。  そのようなわけで書けないことをご了承ください。

 次回は続編としまして、実際にそのような飼育技術を用いて誕生した虫たちを紹介しながら、えさの作り方を画像をつけてご案内します。      お楽しみに。

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